こんにちは、みつまめです。
今回は、黒い紙に金銀文字を書くときの、紙と筆記具をまとめました。
きっかけは、お世話になっている競書誌で毎年開催される千字文大会です。
「千字」という名前から想像できそうですが、文字数の多い課題が指定されます。
【補足】
千字文とは、書の手習いとして利用される漢詩で、4文字で1つの文章となっており、計250組の文でなりたっています。
なんと、1000個の異なった漢字が重複せずに使われています(スゴイ)。
1000文字書くのはなかなか大変なので、一部分を抜粋して書作の課題として出題されることが多いです。
実はこの大会のペン字部門では、画材に関する指定はされておりません。
毎年7月上旬に締め切りがやってくるのですが、毎年「暑いのう」と文句を言いながら、
「うおー、つくりかた忘れたー」と締切り直前に慌てるという、毎度おなじみのちり紙交換。
…人間らしくて、いいですね!(ポジティブ)
今年こそ道具の入手方法をまとめたので、来年は慌てないはずです。
尚、この記事内容は何かの審査や評価とは一切関係ないため、むしろマイナスに働いたら申し訳ありません。ご承知おきくださいませ。
作品の構成要素
今年提出し終えた作品はコチラです。
「黒×銀」の配色で書きました(この後の記事も「銀」のインクで検証しております)。
突然ですが、作品の構成要素を「ハンバーガー」の具材に例えてみます。
- 筆文字
(主役のハンバーグ。これがないと始まらない。ぺんてる筆「金の穂」「銀の穂」で書きます。) - 黒の紙
(筆ペンが主役のハンバーグだとしたら、具材をしっかりと支えるパンが必要。) - 罫線
(罫線は、レタスやソース類に相当します。有ると無しでは大違い。) - 氏名と落款
(マスタードやピクルスに相当。ひとまず、この記事では触れずに進めます。)
「なにぃ!パンもレタスもソースも大事ではないか!」
…そんなに素直に驚いていただけないことはわかります。
力説したかったのは、この感じのペン作品を書くときは、まず「2.黒い紙」を探した上で「3.罫線」に手間をかけなければいけないということ。
昨年始めて取り組んだとき、文字を書く事(=ハンバーグ作り)だけで頭がいっぱいだったのですが、それ以上に紙探しと罫線を引くのに手間がかかることを知って心が折れそうになったのでした。
黒の紙を準備する
それでは、まず紙の準備から。
私はネットで購入した黒色の上質紙を使っています。
百円均一にも色画用紙が置いてありますが、今回の金銀の筆ペンで書く場合は、紙の表面がざらついて書きづらかったり線がかすれてします。
用途が違うのでしょうね。
専門店で販売しているものの方が「なめらか~」に書けます。
紙の色についても、専門店で販売している用紙の方が、黒さにグッと深みがあり漆黒に近い色味のように感じます。
今回、私はコチラのお店の紙を利用させていただきました。
「紀州の色上質紙【黒】」の特厚口・最厚口を購入しています。
厚みはどちらも良いと思いますが、私は主に特厚口を使用しています。
罫線を引く
家庭用インクジェットプリンタはだめなの?
手で罫線を引く前に、
「家庭用インクジェットプリンターで、黒い紙に白を指定して印刷したら罫線になるのでは?」
と思い立ち、実際にプリントしてみたのですが、結果はNG。うっすら黒線が見えるのみ。
ちなみに、罫線の色を黄色に指定にしてもNG。
プリンタ横でがっくりと膝をつき、インクタンクの4色(CMYK)を眺めて思いました。
「確かにこやつらを混ぜてもドドメ色になるだけで、白やゴールドにはならぬよな…(なぜか武士)」
どんなインク色であっても、黒地の紙にインクジェットプリンターから、視認できる色は出力されません。
この後登場するペン類のように、特別な塗料でない限り目で見えるようにならないのです。
文字を書きに集中するには、「印刷屋さんに特色印刷を頼む」が、正解なのでしょうね。。
来年こそは印刷屋への依頼にチャレンジしようと思います。
定規を準備しよう
さて、絶望感に襲われたところで、あきらめてゴリゴリと手で線を引きます。
定規を準備しましょう。
私は、大人になってから今日まで、定規をほぼ使用することがなかったので探すところからスタートでした。
定規をネットで探す場合は『方眼定規』というキーワードで検索されることをオススメします。(罫線を直角に引くとき、垂直方向の線が役に立ちます。)
また、作品サイズにより必要な長さが変わってきます。
A4用紙なら長辺に合わせて30cm定規、B4用紙なら長辺に合わせて40cm定規の長さがよいように思います。
罫線に使うペン
黒い紙に粒を揃えた文字を書いていく場合、ガイドとなる罫線が必要です。
文字をまっすぐ書くため、そして1文字の粒の大きさを揃えるためです。
金銀文字とくれば、金または銀のペンで揃えたいのですが、文房具店とネット検索で探してみたところ、色々と発売されておりました。
何本か購入した銀のペンで、「3cm×3cm」のマス目を引いた感想をまとめましたのでご覧ください。
※写真は「銀」のインクですが、全てのシリーズにおいて「金」のバリエーションが存在します。
以下、筆記幅の表記が太い順に掲載。
罫線用としてのおススメ度 … ×
発色の良さと線の太さの存在感が、A4~B4サイズ用の文字主体作品には向きません。本文の存在感が食われてしまいます。
また、インクの量が多く少し溜まり気味になるので、線を一本引くごとに乾燥を待つことになり、定規側のインクも拭う必要があります。
よって、定規をズラしながら連続して罫線を引く作業には向いていません。
罫線用としてのおススメ度 … △
前述の1.0よりは細いのですが、まだ少し主張が強いように思います。
インクの溜まりは線の終端部だけになりますので、乾燥時間や定規を拭く手間は、大分軽減されます。
罫線用としてのおススメ度 … ×
ボールペンではなく、マーカーも試してみたいと思い購入。
但し、超サラサラのインクの為、定規の下に入り込んで広がってしまうので定規の利用はしづらいです。
【補足】
この中で最もギラリとした金属感のある発色で、文字を書く時のジャリジャリとした書き味が特徴的。
定規との相性は良くないのですが、筆記具としては好きなのでヒトコト申したく。ポスカに定規は似合わないぜ。
罫線用としてのおススメ度 … ◎
ご覧ください、この名脇役な感じ!
0.5mmという細さもさることながら、発色も控え目です。
おかげで文字の頼りなさがバレてしまったじゃないの…
インク溜まりはほとんどなく、定規で(ほぼ)連続して線を引くことが可能です。
…ということで、こちらのペンを推したいと思います!
ZEBRA サラサクリップ0.5 金(JJ15-GO)/ 銀(JJ15-S)
真打ち登場!金銀の筆ペン
これでやっと作品を書けるようになりましたので、あとはもう、筆ペンの紹介だけ。
ズバリこれです。
ぺんてる筆 金の穂(XGFH-X)・銀の穂(XGFH-Z)
発色・書き味など申し分なく、愛用させていただいてます(商品名も大好き)。
インクの伸びが良く、今回の場合はB4サイズ・88文字でしたが、10数枚書いても1本で十分足りました。
あとは、いつもどおり皆様の腕を振るうだけです。
本文「ぺんてる筆 銀の穂」
×
罫線「ZEBRA サラサクリップ0.5 銀」
…ところで、終始「銀」で書いてきたのには、ちょっとした訳があります。
「銀」の方が、本文を書き進めるときに、否応なしに罫線や上下左右の文字が視界に”バキャッ”と飛び込んでくるので、とても老眼フレンドリーなのです。
「金」の方がギラギラしてると思いきや、目への刺激という点では少しだけ優しめです。
ちなみに、「黒×金」の配色は写経等の仏教に通ずる作品で映えるように思いますので、いつか制作しましょう。
あとがき
前回(1年前)に使用したペン・筆ペンも使用してみたのですが、1年経過すると、インクの濃度が少々高くなっています。
運筆のスピードである程度コントロールできますが、気持ちよく書く場合は、開封したて(そしてよく振る)が一番です。
ということで、購入したら1本使い切ってしまうようにモリモリ練習しましょう。
と、己に言い聞かせる…